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記: 井熊さんは転職をしたり、会社を立ち上げたりされていますよね。そこにどのような共通の思いがあったんですか? 井熊さん: どういうものだろうねえ。たぶん自分の価値観で生きたいと思ってるだけじゃないかなぁ。わがままをするとかそういうことじゃなくて、お見合いをさせられるような人生ではなく、自分が納得するように生きたいと思っている。 記: 自分の人生に納得して生きるには、どうしたらいいんでしょうか?
井熊さん: そのためには、まず明日から朝早く起きなさい。毎日朝7時に起きて、まず新聞を読んで、それで今日何やるか決めて、やることをきちんとやる生活を毎日やる習慣をつければいい。そうすればそのうち、物を真剣に考えるようになる。毎日朝の10時、11時まで寝てて、一生懸命な人生なんてあるわけないよ。学生時代に寝坊の癖がつくのは、人生に無駄がすごい多いと思う。 記: はい。 井熊さん: やっぱりいい習慣を作るのが大事。例えば、一流スポーツマンはアウトプットを出すための自分のパターンがあるから、ウォームアップを必ず同じにやる。それと同じように、日々の習慣が自分の好ましいサイクルを呼び起こすってことになる。キャリナビという活動で、若い人が色んな人の話を聞くのはいいことだと思うけど、そこで「じゃぁ俺も何か一生懸命やろう」と言うのは短絡的な思考。一生懸命やるって言っても、一生懸命やる構えができてないと、一生懸命できない。それにはまず、生活や習慣から変えていかないと、自分自身が何か発想するようになっていかない。
記: お話が身に染みます。 井熊さん: 君が色んな人の話を聞いて、あの人がこういうことやってたから、自分も一生懸命やろうっていうことはできる。でもそれは、他人のやってたことを自分に移植してるだけなので、本当に一生懸命になれるかどうかはわからない。本当に大事なのは、その人がなぜその事を一生懸命やるに至ったかということだから、やるに至ることを真似しなくちゃいけない。そうすると、自分なりに一生懸命やることにめぐり合える。他人がめぐり合ったことに対して何か真似しようということは、「あいつの彼女きれいだな」というのと殆ど同じ。 記: 本当は何かに熱くなりたいけど、そういうものに出会えない、めぐり合ってないと思っている学生に、何か井熊さんからアドバイスはありますか? 井熊さん: もし何も無かったら、自分で何か悩んでいるよりは、熱く何かをやっている人たちのところの門を叩けばいいんじゃないかな。合わなかったらやめればいいんだし。今の若い人たちは、一生懸命やっている人たちと自分の間に、自分自身の言葉で壁を作ってしまって、素直になる勇気がないなと思う。誰かと語りあって楽しかったなら一緒に仲間になればいい。皆「お前は中に入れない」と言わないと思うから。自分がそういうものに近づいていって、一生懸命やっている人たちと時間をともにすれば、必ず学ぶことがある。例えばうちのクラブに入って、もし辞めたとしても、必ず何か学んだことがあると思う。伊達や酔狂なんかでやってないもの。毎日毎日色んなことを自分に課して、工夫しながらやっている彼らを見れば、それは「ああしよう」とか、「ああこうしなくちゃいけないな」って思うようになる。その事だけでも、大事かなっていう感じはする。 記: 何かをやる時、飛び込む勇気がなかったり、飛び込んで否定されないかと思うのはよくあります。 井熊さん: そうやってすごい迷ってるような感じがする。迷って、逆に本当にやったほうがいいことをやらないで、他のことに時間を裂かれているけど、それはすごく勿体無いことだなと思う。あと僕が思うのは、自分の心の中に負債を作らないということ。さっきと矛盾するようだけど、うちのクラブで言えば、大学4年まで漕がないで2年3年で辞めようとする人には、「それはやめたほうがいいよ」と言う話をする。それは「まっとうしたかったのに出来なかった」っていう気持ちが残るから。そうすると、一生懸命やっている人に対して、違う分野でもなんとなく「自分は中途半端だ」といった精神的に負い目を負ってアプローチするようになると思う。 記: 井熊さんにはそういう経験があるんですか?
井熊さん: 僕は高校3年の時、大学の受験があるからって運動部の試合に全く出なかったんだけど、そのことが高校生活の大変な悔やみになっている。その時の自分は一生懸命やってなかったと自分で思う。そのことを思い出すと、平気で自分の負い目になるような事をすると、一生懸命やろうと思っても負い目が自分の足を引っ張って、一生懸命やるところから遠ざかってしまうような気がする。何をするにもトラウマみたいなのを感じて、すごい勇気がいるようになってしまう。 記: はい、これから心に負債を作らないように、自分に素直になって生きていきたいと思います。本日は琴線に触れるお話を、本当にありがとうございました! |