|
記者(以下、記): こんにちは。今日はよろしくお願いします。池本さんは色々なお仕事をされていますが、創造支援工房FACE(フェイス)という団体がメインのお仕事だと思いますので、FACEの活動について教えてください。 池本さん: FACEには、大きく分けて、三つの活動があります。まず一つ目は、”学生がメディアを学ぶ場の提供”、二つ目は、”NPOの情報発信”、三つ目が、”世界に新しい提案をしていこうというメディアプロデュース活動”です。FACEは、この三つを実践しようとしている団体です。 記: それぞれの活動を具体的に教えてください。 池本さん: まず、学生がメディアを学ぶ場の提供について説明しますね。僕がメディア学習系と言っているものが三つあります。一つ目が「メディア寺子屋」。これは、2000年の4月に、僕がFACEを立ち上げると同時に始まったプロジェクトで、学生を中心に延べ1000人以上が参加しました。「メディア寺子屋」では、月1回、テレビのプロデューサーや編集長、映画監督といった、メディアの現場で実際に活躍されている人をお招きして、講演をしてもらいます。そして、その講演会でただ話を一方的に聞くのではなく、参加者同士や講師の方とディスカッションをすることで、様々な視点からメディアについて学んでいきます。 記: メディアについて学習するわけですね。 池本さん: そういうことです。二つ目は、「メディアプロデューサーズスクールI-MAGEというのが、2002年に始まったプロジェクトで、延べ100人以上の学生が参加しました。「メディア寺子屋」での講演会・ワークショップは、その一回で終わってしまったりするんですね。だから、それをもう少し広げる意味で、学生が三ヶ月間のプロジェクトを実際に組み、出版や広告のように、アウトプットとしてなにかしら残せるものを、プロデュースしてみようというものです。何か意図をもって、面白いこと、新しいことを創りだそうとする、世の中の仕掛け人になりたい人などが、学び、実践していく場所になっています。
記: 三つ目に学ぶことは、どんなことですか? 池本さん: 三つ目の『MTP(Meet The Press)』は、ジャーナリスト養成コースです。現役のジャーナリストを講師に招いて、実践的な取材・執筆訓練を通じてジャーナリズムの基礎を学びます。フェイスでは、ここまでの三つをメディア学習系と言っていて、学生がメディアを学ぶ場を提供している部分です。 記: なるほど。では、NPOの情報発信とはどのようなことをしているのですか? 池本さん: ウェブサイト「NPO-TV」や、NPO団体の個別ホームページを作るなどして、情報を発信しています。NPO-TVというのは、みなとNPOハウス(以下NPOハウス)の入居団体を中心に、現場で活動するNPOの日々の活きた情報をインターネット動画配信技術を活用し、インタビューやプロモーションビデオ形式で配信しているものです。NPOハウスに一緒に入居しているから出来る新しい試みです。1年ぐらい前から、ボランティアという形でやらせてもらっています。 記: 世界に新しい形の提案をしていく、メディアプロデュース活動というのは、具体的にどんな活動なのですか? 池本さん: メディアを利用して、新しいテクノロジーを使った形を世界に提案していくことをどんどんしていきたいと思っています。それをFACEで実際にやったものが、雑誌『ソトコト』(注1)と一緒にやったスローナンバーマッププロジェクトです。
記: スローナンバーマッププロジェクトについて詳しく教えてください。 池本さん: いま、「スロー」というのが流行っていますよね。「スロー」とは、環境にいいエコロジカルな暮らしをすること、人と人とのつながりや、人と自然とのつながりを大切にする生き方のことです。スローナンバーマップとは、生活を「スロー」に導くための案内地図なのです。スローナンバーマッププロジェクトは、スローなカフェ、雑誌店、NPO、食べもの、いい風景、なごめるスポット、秘密、物語など、地球と人を長持ちさせる「モノ」「コト」にスローナンバーという「認定番号」を付けて地図化していく企画です。街には歴史があり、「モノ」や「コト」の作り手は伝えたいことがたくさんある。そんな情報にスローナンバーをつけて、携帯からいつでもどこでも手軽に取り出せる形にしたのです。 記: 「スロー」に関する情報をいつどこでも取り出せるというのが新しい形なんですね。「スロー」という価値観についてはどう思われますか? 池本さん: 自分のライフスタイルについてゆっくり考えるという意味でも、「スロー」というのは今の時代に必要な価値観だと思います。何か物をじっくり見てみたり、景色を眺めたりすると、いろいろ発見したり気付いたりしますよね。それに、時間を与えられると人は考えるじゃないですか。そういう意味でも「スロー」というのはいいことだと思います。 注1: 『ソトコト』ゥlをスローにすることを目指し、「スローライフ」に関する情報を特集した環境ファッション雑誌。 |